自動売買は必ず止まる
2026-08-25
自動売買を動かしていると、必ず止まります。通信が切れる、データ元のAPIが応答しない、プロセスは生きているのに仕事をしていない。いちばん厄介なのは最後の形で、外から見ると正常に動いているように見えます。当サイトでも稼働開始からいくつかの止まり方を経験し、そのたびに気づく仕組みと直す仕組みを足してきました。この記事では、その構造をそのまま公開します。
自動売買の止まり方は3種類ある
止まると一口に言っても、性質がまったく違います。対処法も変わるので、まず分けて考える必要があります。
1. プロセスが落ちる
いちばん分かりやすい止まり方です。プログラムが例外で終了する、サーバーが再起動する、メモリが足りなくなる。気づきやすいぶん、対処も簡単です。落ちたら起動し直す仕組みを入れておけば、多くは数十秒で復帰します。
2. サーバーごと止まる
電源、ネットワーク、クラウド側の障害。自分では手を出せない領域です。頻度は低いものの、起きると復旧まで時間がかかります。ここは監視で気づくしかありません。
3. 動いているのに仕事をしていない
これがいちばん厄介です。プロセスは正常に動き、ログも出ている。CPUも使っている。しかし価格データが取得できておらず、判定が一度も行われていない。外から見ると「稼働中」にしか見えません。
いちばん危ないのは「動いたまま黙る」
3番目の止まり方が危険なのは、誰も異常だと思わないからです。プロセス監視は「動いている」と報告し、サーバーの負荷も正常。取引が発生しないのも、相場が静かなら普通のことです。
実際、当サイトでもこの形の停止を経験しました。プログラムは動き続け、ログも更新され、しかし為替データの取得だけが失敗し続けていた。取引の判定ができない状態のまま、外形上は正常でした。
ここから得た結論はひとつです。プロセスが生きていることと、仕事ができていることは別。監視は前者ではなく後者を見なければ意味がありません。
止まっても戻る構造
止まらないものを作るのは不可能です。相手のサーバー、通信経路、自分のコード、どこかは必ず壊れます。そこで目標を変えました。止まらないものではなく、止まっても戻るものを作る。
いま動いているのは、次の構造です。
直せるものは自分で直す
確認する
SNSへ投稿する
どちらか一方が黙っても、もう片方が気づく
設計の要点は3つです。
- 互いを見張る — 点検はBOTの状態を見て、BOTは点検が動いているかを見ています。片方が沈黙すれば、もう片方が気づきます
- 直せるものは直す — 異常を記録して終わりにしません。停止していれば起動し、データが取れていなければ再起動します
- 直らなければ落ちる — BOT自身も、価格データの取得が続けて失敗したら自分を終了させます。動いたまま黙り続けるより、落ちて起動し直すほうが安全だからです
何を見て、何を直しているか
点検が確認しているのは、大きく分けて次の内容です。
- 売買の設定が仕様どおりか — ロジックの設定値を、検証で確定した仕様書と1項目ずつ照合します。知らないうちに変わっていれば、それはもう別のシステムです
- 価格データが実際に取れているか — ログを読むだけでは「取れているつもり」が分かりません。点検自身が取りに行って本数を数えます
- 取引の記録が失われていないか — 件数が前回より減っていれば異常です
- 投稿が滞っていないか — SNSの実際の投稿と内部の記録を突き合わせます。エントリーに対する決済の報告が欠けていないかも確認します
- 点検自身が壊れていないか — 検査の項目が途中で落ちていないか、前回の点検から時間が空きすぎていないか
最後の項目は自分自身への検査です。点検が動いていないことは、異常がないことと同じに見えます。ここを見落とすと、監視を何重に作っても意味がありません。
この仕組みでも防げないこと
完璧ではありません。分かっている穴を3つ挙げます。
- 両方が同時に壊れる — 互いを見張る相手がいなくなります。特に、両方のプログラムを一度に書き換えた直後が危険です
- データ元・業者側の長期障害 — 何度再起動しても直らない種類の停止です。こちらにできることはありません
- 判定は正しいが結果が誤っている — システムが正常に動いていることと、出している数字が正しいことは別問題です。これはまた別の検査が要ります
穴があることを書いておくのは、隠しても意味がないからです。運用しているのは自動売買であって、魔法ではありません。
まとめ
- 自動売買は必ず止まる。止まらないものを作るのは不可能
- いちばん危ないのは「動いているのに仕事をしていない」状態。外から見ると正常に見える
- プロセスが生きていることと、仕事ができていることは別。監視は後者を見る
- 異常を記録するだけでは足りない。直るところまでやって初めて仕組みになる
- 点検自身が壊れることも想定する。互いに見張らせるのが、いまのところ現実的な答え
この仕組みで動いているAIの取引を、建てた瞬間の投稿つきで毎日公開しています。判定も決済もSNSへの投稿も、このサイトの更新も、すべて自動です。
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